2017/03/02

B&B銀杏工房

工房をG棟へ移転したためにA棟が空いた。そこでそのA棟の有効活用を考えて来た。結論はB&B/つまり朝食付民宿の開設である。私が滞在していた1970年代の英国ではすでにポピュラーな存在で多くの人々が利用していた。当時日本では和風の「民宿」と洋風の「ペンション」が伝統的な「旅館」や「ホテル」以外の選択肢として登場し始めていた。それから40年、時代は変わりその後隆盛を極めたペンションもその影を潜めている。そこでここでは奇を衒わず背伸びせず、出来ることだけやるというコンセプトのもと快適に過ごせる実質的な宿を安価に提供する事を考えた。豪華なロビーはないしシャトーでもないがリーズナブルな価格でゆったりと過ごせる部屋がある。夕食の提供はないが隣は蕎麦処だし少し歩けば古民家を使った創作料理の店や個性的なマルシェもある。
やっと案がまとまった。20㎡強のゲストルームが2つと朝食室からなる小さな宿。宿の主人(私)が集めたアートあるいはポスターを展示するギャラリーもできそうである。
寝室(改築前)
ギャラリー
県の建設事務所建築課との協議が終わった。ポイントは建築確認についてである。建築基準法第6条にそのことが書いてある。一定規模以上の木造建築や2階以上の非木造建築あるいは都市計画区域内の建築物、一定規模以上の特殊建築物については新築、用途変更にあたって確認申請が必要となる。ところがこの建物、これまで一般建築で必要がなかったため確認申請は行われていないし資料もない。その一般建築を特殊建築物(旅館)への用途変更するについて新たに申請が必要かどうかが協議のポイントである。万一確認申請が必要となれば現基準に適合しているかどうか構造計算その他で証明せねばならない。それは現実的には不可能で、仮にそうした結論であればこの計画は断念せねばならない。法第6条では特殊建築物(旅館)100㎡を超えるものとあるので110㎡の我がA棟、B&Bを一部外部化することで100㎡以下の建物と見做せないかというのが協議のポイントである。この図面ではテラスとなっているがそれをピロティとし屋内的利用はしないことで今日の協議は成立し、そのことを資料に追記した。これは保健所への旅館営業の許可申請後、建築課に書類が回った時に効力を発揮するのであろう。


2016/08/23

G棟改修工事

G棟を改修しそれまでA棟にあった工房を移転した。
壁にドアと窓を設ける。ドアは白州三吹神社板戸の年輪の浮き上がった古杉板仕上げ、窓はかつて母屋で使われていたアルミサッシと木製フィックス窓とのコラボレーション
これまでの経験が生かされ、使いやすくなった。天井も高いし・・
経験から得たものの一つ、倉庫の併設である。今までは同じ空間内に材料も工具も置かれていたが材料は倉庫、工具は作業室内と分離した。材料の整理分類がしやすい。また作業室内の棚は工具専用にしたのでこれまたいい。
古民家には大量の木製の引き戸が使われていた。これはその1つ、ドアとして再利用。
もともとここも養蚕小屋で床の土間コンクリートも一部は破れ、さらにその下の土が流されて落ち込んでいた。割れるものは割り隙間を砂利で埋めコンクリートで床を再生。

外装窓もボロボロだった。これも旧母屋のアルミサッシの再利用。しかし外装リニューアル(と言ってもペンキ塗るだけだが)は今後の課題。
母屋との2間ほどの外部空間も作業空間利用可。テーブルの4本の丸太は薪材、テーブルトップは解体家屋の廃材、イケアの白いテントを掛けたので多少の雨や日射は凌げる。春、名古屋から助っ人がやって来た。
川崎君に五十川君。彼らももはや若者ではなく会社の中核メンバーである。
工房夜景

2016/01/19

昨日雪が降った

わが銀杏工房あたりで積雪30㎝。一昨年の豪雪120㎝に比べれば大したことないと言えないこともないが大雪には違いない。その証拠に中央道、中央本線、身延線などが全面運休し今も一部で続いている。それでも一昨年の経験があるので雪景色を楽しむ余裕がある。おそらく物流は止まっているから無理してスーパーに行ったところで物はないだろう。こんな時にジタバタしても仕方ないのである。雪を背景に各棟を撮影し古屋再生の昨年までの成果としてまとめた。
おととい深夜から降り始めた雪はきのうお昼までにあがり、午後には薄日が差し始めた。上神取集落の田畑は美しい雪原となった。
夕刻はガスが掛かりモノトーンの世界に、枯れ枝のシルエットが美しい。左は玄関前のカツラ、右に大銀杏。
まるで雪国の様相、母屋(B棟)玄関前
一夜明けて晴天。B棟、雪の積もった屋根の煙突が頼もしげに見える。
C棟(ガレージ棟)
C棟からB棟テラス方向、やっとこの面の塗装が終わった。
 昨年春下屋の改修をしたD棟土蔵とその内部(2階、1階は農機具置き場)
F棟、元味噌蔵で利用方法検討中。アイデアとしては、①東屋、②ピザ釜置き場もしくは①②の組み合わせ・・など。キウイ棚付き、右側に夏野菜用のキッチンガーデン・・
元E棟(D棟裏)。昨年スケルトンにし葡萄の苗を2株植えた。半硬線(硬めの針金)を1.8mの高さで縦横に張り枝を伸ばして葡萄棚とする。今年は無理だろうが来年にはきっと収穫できるか・・・①ネヘレスコル(欧州種)②ポートランド(アメリカ種)ともに生食用。
A棟とG棟、改修中のG棟内部。B棟に付いていたアルミサッシ2本を活用、元はボロ窓。
A棟は工房棟。工作室とサロンこちらにも薪ストーブがあるし石油ファンヒーターの増設もあって前ほど寒くはなくなった。息子たちのお古のTVも取り付けた。
まだまだやることはあるが「銀杏工房古屋再生」も山は越えたように思う。これからは外装塗装や外構工事など質の向上へ向けた作業が多くなって行くだろう。

2015/10/15

ロフト・内装工事進行中

ここひと月ほど母屋の内装工事に没頭している。

 床+2100mmまではドアや家具など必要なアイテムが多く昨年末までに仕上げてあったので生活に支障はなかった。一方その上部の壁は少し見苦しいだけで機能上の支障がないことから放置されて来た。

 また今年の春から夏にかけての植物を中心とする外構は待った無し、草はどんどん伸びるしで・・・他にもガレージの外装や土蔵下屋の雨漏り対策など緊急を要する工事が多くあって母屋の内装工事まで手が回らなかった。が、それもそろそろ先が見えて来た。秋に入って雑草の勢いが衰えるのと同時に気持ちに余裕が生まれて来たこともある。

 そこで、この際きりのいいところまでやっつけてしまおうという事になった。ロフトもあらかた仕上がって来た。それでこの辺で一度ブログにアップする。
最終的には梁などの古材の色調整をしボードを漆喰で仕上げるのだがそれはまだ先になるだろう。
玄関方向からの見上げ、壁のボードを貼り終えたところ
ロフトの用途はベッドルーム。800×2000のマットレス2枚でクイーンサイズのベッドとなる。今回工事のポイントはタモ集成材で作ったヘッドボード。このボードにはLEDの間接照明やスタンド、シーバップ(呼吸補助具)、スマホ用のコンセントなどが仕込まれている。
またマットレス下地は幅150mmに加工され×隙間30mmにベルトで留められたコンパネだがこれでクッション性と通気を確保する。
ベッドは梁を利用して浮かせている(左2本の垂木は仮設)。下の断熱材は薪ストーブのある居間の天井。この断熱材は居間のストーブによって温められた空気熱を遮断するため。余談だがその暖かい空気はダクトで居間床下に導かれパッシブな床暖房熱源として利用している。
ロフトの工事状況、1間毎十字に梁が交差している。中腰の難工事だ。
仕上げるべき壁のかなりの部分が吹き抜け上部でこちらも難工事、
ボードを持っての梯子の登り降りが・・・・効く〜!!

シナベニアの天井は地元大工への発注ですでに2012年に仕上げてある(頼んでおいてよかった!)。
スイッチプレートをヘッドボードに彫り込む。
ヘッドボードの裏側。LEDライトとトランス、コンセント、スイッチなどの配線の状況。裏方を表から見えないように!!

ヘッドボードの加工には試行錯誤も含めたっぷりと時間を掛けた。
ボード上のスイッチしか見えないが多くの機能が仕込まれている。
ボード施工前の状況。今回工事で高所のボード貼りという懸案の一つが片付いた。
しかしまだ階段から続く空中床の本設工事が残っている。
構造など下地材むき出しがなくなってインテリアが少し上品になったような気がする。









2015/10/07

蓮の栽培、雨水貯留システム、そして内装工事・・・

今年の夏は蓮の栽培に挑戦、成功!!
テラスダイニングから見た蓮池2号と蓮の花
地べたに穴を掘り
50cm立方のコンクリートの箱を沈め枕木で縁取り水を満たして蓮池2号の完成、このあと田土を入れ蓮の根を植え付ける。
こちらが蓮池1号、この屋に転がっていた石鉢(元掘りコタツの火床)に水を満たして蓮根を植え付け、こちらも成功!
集落内の知人より頂いたワイン樽を活用し雨水貯留システムを構築
春先に修復した土蔵の下屋に雨樋を付けて雨水を集めワイン樽に貯留して植物の潅水に利用しようというもの。左側の竪樋に分岐装置を設置し樽に雨水を導く。架台はこの樽用にこしらえた。
実は何回か試行錯誤を繰り返している。その1樽だが当初用いた古樽は漏水することが判明。そこでこの比較的新しい樽に取り替えたのである。その2雨水分岐装置の高すぎ。配管のやり直し。豪雨時、タンク上部の栓に設けた通気穴から噴水してしまったのである。
透明管を用いることで樽内の水位がわかる。現在システムはうまく機能しており、降雨時には雨水がしっかり貯まる。雨の日が待ち遠しい!!
母屋の内装工事もぼちぼちと進んでいる。2.1m以下は壁工事がほぼ済んでおり生活に支障はなかったので後回しになっていた2.1m以上のPB(プラスターボード)貼り
玄関の見下ろし、2.1m以下は杉板貼り、その上の部分である。
吹き抜け部分を貼ってきたところでPB貼りは一時休止、ロフトの造作(ベッド、床など)が現在進行中、造作ができればPB貼が完了できる。
ところでこの春から県美(山梨県立美術館)のボランティア活動を始めた。県美企画展の最新ポスターが入手できるのでそのコーナーをつくった。
次回(11月〜2016年1月)ルドウーテのバラ展のポスター